鶴岡の新しい街なか図書館!一般客も気軽に入れるスイデンテラスのライブラリ


日本最大級の木造ホテルにして、
田園風景との調和の美しさが話題の「スイデンテラス」。
正式名称は「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」といいます。

2018年9月に山形県鶴岡市にできたばかりの新しいホテルです。
宿泊はもちろん、スパやフィットネス、レストランなど、
さまざまな共用施設が入っていて地元でも話題です。

なかでも今回は、
一般の人でも自由に入って読める、
とっておきの趣向を凝らした「ライブラリ」に行ってきました!

目次
1.スイデンテラスのライブラリ
2.心をくすぐる本の配置
3.ハイセンスな本、セレクトしたのは誰?
4.ここが見どころ!私的ポイント
5.これがおすすめ!私の気になった本
最後に

1.スイデンテラスのライブラリ

スイデンテラスは「宿泊棟」と「共用棟」に分かれています。
ライブラリがあるのは「共用棟」で、エントランスは共通です。

まずは、駐車場から続くプロムナードを抜けてエントランスへ向かいます。
エントランスはガラス張りで、明るくモダンなデザインです。

階段をのぼると正面にフロントがあります。
取材時は1階で、「東北芸工大 卒業・修了展」を開催していました。
(2019年3月19日~4月7日)

そのフロントから左手すぐにあるのが「ライブラリ」です。
ホテルの宿泊客でなくても、
自由に本を手にとって読むことができます。

子どもの頃から本が大好きで、
毎週どこかしらの図書館に行っている私。
読書好きな友人知人たちとの会話で、
興味深い本が多いというスイデンテラスの評判を聞いているので、
入口からすでにワクワクしています。

木の壁と一体化した本棚は、
1000冊規模の蔵書数を誇りながらもスッキリとした配置。

センスのいい椅子とテーブルも置かれていて、
リラックスして本が読めます。

大きな窓からは明るく光が差し込んで、
田園風景と遠くの山並みがよく見えます。

(取材時は4月で雨天でしたが、晴れた日は金峯山まで見えるそうです)
田植えや稲穂の時期はもっとキレイなことでしょう。

個別に貸出はしていませんが、
スイデンテラスの館内であれば、どこでも閲覧OKだそうです。
宿泊するなら部屋でじっくり読むこともできますね。

もちろんその時は、マナーとして
きちんと本を元の場所に戻しましょう。

2.心くすぐる本の配置

スイデンテラスのライブラリの特徴は、
なんといっても所蔵する本の配置でしょう。

ふつう図書館や本屋では、
絵本は絵本、料理本は料理本というふうに、
決まった分類で本が置かれていますよね。

しかしスイデンテラスでは、
「食べる Food」「からだとこころ Body and Mind」
「暮らし Lifestyle」「美しいもの Beautiful」といったようなテーマが、
木製のプレートで表示されてその横に本が並んでいます。

例えば「食べる Food」のコーナーには、
鶴岡特産のお米やワインの関連本に加え、

『おむすびさんちのたうえのひ』
(作・絵:かがくいひろし、PHP研究所)

『もしも日本人がみんな米つぶだったら』
(作:山口タオ、絵:津川シンスケ、出版社:講談社)』

『おむすびのにぎりかた』
(文:宮本しばに、写真:野口さとこ、ミシマ社)

『ごはんはおいしい』
(作:ぱくきょんみ、写真:鈴木理策、福音館書店)

『田んぼの一年』
(作:向田智也、小学館)などが置いてあります。


分類するなら絵本・料理本・農業などと、
バラバラに置かれるはずの本たちですが、
ここでは独特のフィーリングで、
しっくりと一緒の本棚に収まっています。

3.ハイセンスな本、セレクトしたのは誰?

この選書を手がけたのは、
愛知県生まれのブックディレクター、幅 允孝(はば よしたか)氏です。

幅氏は、カフェや美術館の図書スペースの企画・デザイン、
本の編集・執筆など、
本を軸にしたいろいろな活動をしています。

幅氏が設立した選書集団・BACH(バッハ)のHPには、
手がけた作品のひとつとして
スイデンテラスのライブラリの写真もありました。

ライブラリの本は上記の4つに加え、

「日本と山形 JAPAN/YAMAGATA」
「子どもたち Children」
「未来について考える Think about the future」
「世界を見渡す Around the world」
「自然や生き物 Nature and Life」
「My Favorite Things」

合計10のテーマで並べられています。
実用書からコミックまで、
あらゆる世代が楽しめる作品が目白押しです。

選書にはスイデンテラスのスタッフの方々も携わっています。
スタッフがおすすめする本のアンケートをとり、
その結果を幅氏に送ってさらに絞り込んだそうです。

「日本と山形」のコーナーが充実していることに
これで納得がいきました。
コアな作品を知る地元出身のスタッフはもちろん、
地元についてもっと知りたいというスタッフの視点も反映されています。

そのため、一般の鶴岡市民から観光客まで、
どの立場から見てもおもしろい本がそろっています。

4.ここが見どころ!私的ポイント

表紙の美しい本は、
背表紙でなく表紙をドーンと面出ししています。

インパクトに惹きつけられて、
つい中身が気になって読んでしまうかも。

また図書館や本屋は、棚いっぱいに本が詰まっていますが、
こちらはゆったり余裕があります。
手に取りやすく、かつ返しやすい工夫ですね。

そして気になるのは、ところどころにあるこのデザイン。

「オトナもコドモ コドモもオトナ」

すべての本にこのデザインがあしらわれています。
これは蔵書票の役割をもつもので、
スイデンテラスのロゴと同じデザイナーさんが手がけたとのこと。

館内はもちろん、
隣接する全天候型児童遊戯施設「キッズドームソライ」にも
同じテーマのデザインがあるそうですよ。

「ソライ」は子ども連れでないと入れませんが、
合計800冊ほどの蔵書が4ヶ所にあり、
休憩時に絵本を読んだり、創作の参考に図鑑を見たりできます。
こちらも気になりますね。

5.これがおすすめ!私の気になった本


やっぱり注目は、「日本と山形」がテーマのスペース。
藤沢周平作品、郷土料理の本など、
鶴岡の魅力が詰まった選書にうれしくなりました。


美しい写真集も多数。
宿泊された方が寄贈してくださったというこけしの本が
あでやかで可愛くておすすめです。


「ソライ」の語源になった
荻生徂徠の『政談』が置かれているのもいいですね。

「美しいもの Beautiful」の棚には、
スイデンテラスの設計者である坂 茂(ばん しげる)氏の著作もあります。

2014年に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した坂氏。
図版の建築物はどれもぬくもりと機能美を兼ね備えていて、思わずうっとりと見入ってしまいました。

『坂茂の建築 材料・構造・空間へ』(TOTO出版)
『SHIGERU BAN』(TASCHEN、言語:英語)

子育て中の私は、「子どもたち Children」の蔵書もおもしろかったです。

『スイミー』(作:レオ・レオニ、訳:谷川俊太郎、好学社)

『ふたりはともだち』
(作:アーノルド・ローベル、訳:三木卓、文化出版局)

『からすのパンやさん』(作:かこさとし、偕成社)

『100万回生きたねこ』(作・絵:佐野洋子、講談社)など、

教科書に載っている名作や、
長年読みつがれるすばらしい絵本がずらりとそろっていました。


他にも、『きみは赤ちゃん』
(著:川上未映子、文藝春秋)などの育児エッセイ、

『きみたちはどう生きるか』
(著:吉野源三郎、岩波書店)などの話題の名著も
同じ「Children」のコーナーにあります。

紹介しきれなかった興味深い本は、まだたくさんあります。
ぜひ大切に読みましょう。

 

最後に

世界的な建築家・坂茂氏が設計したスイデンテラスは、
外から見ても中から見ても、とにかく明るく美しい施設です。

ライブラリはパブリックスペースとはいえ、
「泊まるわけでもないのに入っていいのかな」と、
最初はちょっとドキドキするかもしれません。

でもスイデンテラスのライブラリは、
全く敷居の高さを感じません。
むしろ一日中ここで過ごしたくなる、居心地のいい空間です。

そもそもスイデンテラスは、
「来館者が自然体でくつろげること」をコンセプトにしているそうです。

外から建物を見ているだけではもったいないですよ。
本の好きな方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

SHONAI TSURUOKA SUIDEN TERRASSE
ショウナイホテル スイデンテラス
https://suiden-terrasse.yamagata-design.com/

〒997-0053 山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
TEL.050-1745-9721(10:00~22:00)
チェックイン15:30~24:00
チェックアウト5:00~10:00

ライブラリ 7:00~24:00(他の時間は消灯)

※鶴岡市では「読書で元気なまちをつくろう」をキャッチフレーズに、
「まちじゅう図書館」スタンプラリーを実施しています。
スイデンテラスをはじめ、市立図書館やカフェなど
多くの施設が企画に参加しています。
本好きの方はぜひ各施設でマップを手に入れましょう!
(マップはスイデンテラスのフロントにもあります)

※一般市民として子ども連れでスイデンテラスに下見に行った時の
イラストレポートはこちらから。
レポート1

レポート2

レポート3

レポート4

レポート5


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